今年もシニアビジネスのお手伝いをするとともに、「ウェブを使いたい人がストレスなく使えること」が「難しいこと」や「予算がある会社だけがやること」「自分にはまだ不必要」ではなく、当たり前に、身近に感じられるようになるよう、皆様にユーザー視点をお届けできればと思います。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。
さて。
正月休み、というのは非常に怖いものです。
毎日通っていらっしゃる方が1週間パソコンに触らなかったりする週間でもあるので。
☆年末年始の休業の後、少なくないシニア層が「あれどっから電源入れるの???」「ワードとエクセルってどう違うんだっけ」「リムーバブルディスクってマイドキュメントのことだっけ」の浦島太郎状態。思い出すまでには若い方よりも少し時間がかかる。
☆教室からお送りした年賀状を見て「また復活しよう!」とお教室に戻られた方もいらっしゃる。
お通いになっていない間に、自分がしなくてはいけないことだけをしている場合には(殆どそうですが)、例えば、「新年だから去年も作った××を作ろう!」等という時にはすっかり作り方を忘れている。(でも、やったことは覚えている。)
そんなシニア層を見ていて、指導していて、シニア層と若い子の大きな違い(シニア化した若い方、シニアだけど若い方)は「一歩踏み込める」かどうかの違いだなあと感じる。
例えば、ウェブサイトを見ながら、クリックしたら自分が思っていたものが出なかったとしよう。
シニア・シニア化した方々は「あー!違う」と戻るボタンをクリックする、もしくは閉じる。
若い方・若い方と同じようなことが出来る方は、「ん?なんでだ?」と一呼吸置いてから、他の部分をクリックしたり、他の場所を探すこともできる。
シニア化すると、失敗を自分の中に受け入れることがすぐにできない。
というのも、「できないに違いない」という気持ちが先にあるため、一つのちょっとしたミス(ミスともいえないミス)で「もう辞めた!」「やっぱりできない!」と思ってしまうためのようだ。
先日、「パソコンを始めたい」という方から電話があったのだが、その方も「きっとできないに違いない」「私は年だからできないに違いない」をひたすら繰り返していらした。
「できないに違いない」は、出来なかった時の言い訳(ほーらね、やっぱりできないと思っていたからできなかったじゃん)となり、自分自身は「できなかったことに対する傷つき感」から守られる。
しかし、「できないに違いない」と思い、何か起きた時にすぐに辞めてしまう、あきらめてしまうことがシニア化の第一歩なんだと、新年明けにいらしているシニア層を観察しながら思った。
しかし、シニア化は避けられない。私も、確実にシニア化している。
そして、色々なサービスの対象者もそのサービスの歴史とともに高齢化している。(一緒に年をとっている)そして、高齢化とともに、多くの方が「シニア化」している。
だからこそ、お客さまも、サービス提供者側も、お互いの心の「シニア化」を意識しながら、顧客対応をしていかなくてはいけないのだと思う。
例えば、ページを追加したときに、解りやすいタイトル名にするとか、ページが表示されたときになんのページかすぐに解るようにするとか、そういうことだ。
私たちは、あきらめやすいシニア化された方々に「あきらめたら そこで試合終了ですよ…?」(By スラムダンクの安西監督)とか「今より若い時はないのですから、始めたいと思ったらとりあえず、失敗してもいいからやってみた方がいいですよ」とメッセージを送っているのですが、それで伝わる方、伝わらない方、色々・・・
高齢になるとできないことが増えていきます。なので、できないことが増えてきた時に切れたり、諦めたりしないで、老いを受け入れて「人の5倍努力しないと新しいことは得られない」という考えを老いた方に持ってほしいです。
もちろん、老いることで経験は積まれていきます。しかし、新しいことをはじめよう!と思う時は、今まで経験してきたのは別の人間で、これからは新・キラキラ自分に変わるんだ!という気持ちも大切です。経験に固執せず、経験を生かして新しいことを十分に楽しむ、そんな老後を迎えたいですね。