初心者に教えるときに留意している10のこと

よく、初心者に教えるくらいは簡単でしょう、と言われるが
実は、初心者ほど教えるのが難しい。

初心者の方は、パソコンに関して慣れている人と
同じ概念を共有していないので、
何を考えているのかわからないからだ。

たとえば、クリックという言葉一つとっても
慣れた人には当たり前のようにわかる、
人差し指でポン。も、初心者の方にとっては
全てが新しい言葉であり、「覚えるべき知識」だと思っているから
なかなか頭に入らない。

初心者に教えるにはちょっとしたコツがいる。
特に大人を教えるときにはプライドもあるし、
忘れっぽくなるので、とても気を遣う。

私が初心者に教えるときに留意していることを書き出してみよう。


1.相手の理解度を知る


相手がどのくらい理解しているのか、誤解しているのかを
とにかく質問して知る。細かくステップを確認する。
どこまで解っているのか、解っていないのかを把握する。

2.相手が何を質問しようとしているのかを聞く


相手がどんなことに困っているのかを聞く。
この時に、ただ聞くのではなく、質問をたくさんする。
相手は、自分の困っていることを得てして表現できないので
小さなボールをたくさんぶつけて、相手の困っていることを探り出す。

3.相手の話を信用しない


初心者の方は原因と結果が結びつきづらい。
なぜそのような事態になったのか、さらに、現状がどういう状況なのか
把握できていない場合が多い。
そのため、相手の話を鵜呑みにすると、判断を間違えることが多い。
なので、質問をする。たくさん質問をする。

4.ボールをたくさん投げる


相手の理解度を細かく確かめる。
たくさんボールを投げてしまうと最初のボールを忘れられてしまうので
適切なところで切り上げる。
一度に沢山は教えない。相手のメモの取り方などを見て
今はここまで!と決める。(相手から求められても、まずはここまでを復習しようと促す)

5. 覚えてもらおうと思わない


ユーザーに覚えてもらおうとは思わない。
覚えてもらおうとするとそれがプレッシャーになるので
相手の気持ちがしぼんでしまうことがある。
覚えなくていいので、慣れてください、と伝えるようにしている。

6.カタカナを使わない


初心者にとって新しい世界のなじみのない言葉はストレスだ。
折角パソコンを使いたい!新しいソフトを覚えたい!と思っているのに
新しい言葉によって気分が萎えてしまうのは悲しいので
できる限り、カタカナを使わない。

7.擬音語を使う


でも、カタカナを使わないでどうやって用語を説明するんだと思われると思う。
そういう時は、擬音語を使う。
擬音語+正式語→たとえば、カチッと、はい、左クリック人差し指で一回。みたいな。
擬音語は素晴らしい。高齢になると指を離すタイミングなどが
掴めなくなるのでリズムを取るのにも擬音語は欠かせない。
イメージがしやすくなる。教えるときに覚えることを最少に、イメージをしやすくすることは意外と心がけている。

8.たとえ話を使う


相手と共有の概念がない。
インターネットでクリックで他のページと言われても、ページの概念が慣れた人と初心者では違う。
自己流の人とも違う。
なので、できる限り、一般的なたとえ話を利用する。
その際に、相手がどういう状況か(たとえば、免許を持っていない人に運転の話をしても仕方ない)
などを事前に知っておく必要がある。
できる限り相手と同じ認識レベルまで持っていく。

9.色々なたとえ話を使う


高齢になるとすぐに忘れてしまうのだが、たとえ話だと思い出す人が多い。
が、同じ説明を受けると、先ほど説明を受けたことだと思いだし
恐縮してしまい、質問できなくなる人がいる。
なので、同じ質問について答えるときには、できる限り、違うたとえ話を使う。


10.自分でやらせる、考えさせる


教え方が下手なうちはどうしても操作を奪いたくなる。
また、やってあげることが優しさだと勘違いすることもある。
やってもらえることが優しい先生だと勘違いされることもある。

しかし、それは優しさではない。と、私は思う。
だから、自分でやった方がよほど早くても我慢の子。


何よりも重要なのは、相手と自分の認識が違うということを理解することだと思う。

自分は車の運転が下手で、うまい人が隣に乗ったら発狂するレベルだと思う。
なぜ、私がそういうことをしちゃったのか理解ができないんじゃないかと思う。
実際に車に乗っていた時は何人か発狂していたので。
#ちなみに、私は日本の平和のために今は車に乗っていません(笑)

わけわからん人を教えるときほど難しいものはない。
もし、皆さんが初心者を教えることがあれば
もしくは、ユーザーテストなどを行い
初めてのユーザーさんと会うことがあれば
そういうもんだと思って接していただければ
色々な人が少しずつ、色々なことができるようになって世の中はきっと楽しくなると思う。

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私とあなたは見えているものが違う

昔の話。
とても素敵な男性がいた。
遠くから見てカッコイイナーって観察していた。

ある日、近くで話す機会があり
ニコッと爽やかに笑った彼の笑顔に私は釘付けになった。

歯石がひどかった。

思わず、見たくないが、見入ってしまった。

惚れている女の子なら、彼の眼を見てうっとりするとこだろうが
彼の歯石から目が離れない。

いや、本当は離したい。
彼の笑顔全体が見たい。

が、口元に釘付けになった。
見るべきところはそこじゃない。

私は目をそらしながら、適当に相槌を打って去って行った。

「俺に惚れてるのかな。だから、まっすぐ目を見れないのか」
と、彼は思ったかもしれない。(知る由もない。覚えてもないだろうし)

私は2つの教訓を得た。
1)憧れの人は、遠くから見ること。よき人は、遠くにありて思うもの

2)きゃぴきゃぴした雑誌には、
女性は男性の手を見るとか、目を見るとかいろいろ書いてあるけども、

気になるものにはくぎ付けになってしまい、そのほかのことに目が届かなくなる

ということだった。

実は、サイトでも同じなのである。
一般的にZ型だの、F型だの言われても、
そのサイトに「何か」があれば、目が釘付けになる。

しかし、その「何か」はサイト制作者にとって自然過ぎて
相手がそんなところを見ているとは、まったく気づかないのである。

下記動画、ご覧ください。
(協力感謝:販促・宣伝・ノベルティ・粗品用、名入れペンならオープニング(別ウィンドウ)
一般ユーザーは真ん中の青いペンが目立ちすぎて、そこから視線を動かせないでいます。
反対にオーナーさんは、青いペンが普通に見えるので、立ち止まりもしない。

思いもしないところでユーザーは目が留まってしまう。
そう、まさかの、歯石とか。
もう、歯磨きの広告が作れちゃうほどに。

ところで、

弊社のある高田馬場は学生ローンが多いのですが
あまりにも普通にありすぎて気にも留めていませんでした。
空気のように、駅の鉄腕アトムの壁画のように、高田馬場になじんでいました。

しかし、遠方よりいらした方が「高田馬場ってすごい学生ローンの看板が多くて異質」
とおっしゃったのです。

そういわれると、確かに。
確かに、そういえば、
ほかの駅ではそんな看板を見ない。

あああ、日常って怖い。
当たり前って思っていることって怖い。

高田馬場の駅に学生が転がっていても
「春が来たんだな」くらいにしか思っていないのに
ほかの地域から人が来るととても驚かれる。

電柱に人がとまっていても
「ん、今日は早慶戦か?」としか思わないですが
ほかの地域からいらした人は警察に通報するレベル。

高田馬場に染まりすぎている私に絶望した!
お銀座とかに染まれる女子wになりたい!
丸の内OLとかに染まりたい。
今の私じゃ顔が丸いOL(OLでもない!)

ということで、
ずいぶん長い前置きですが、

自分が見えていないものを、ユーザーは気になる。
そして、オーナーは、制作者は、それに気づかない。

気になることは、
オーナーにとっては風景になっているような普通のことで
相手にはちょっと引っかかるようなこと。

それを知るためには、ユーザーを観察するしかわからない。

と、思う。

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初心者と中級者の違い

ずいぶん前、パソコン教室の受付にいらした(比較的若い)女性が私に言った。
「パソコン、うまくなるためにはどうすればいいの?毎日使っているし、そこそこ使えると思う。だけど、目的のものを早く探せないし、もっと使えるようになるためにはどうすればいいの?」

返答にとても困ってしまった。
日々、仕事でパソコンを使っていて、家で時折ネットを見ていて、そういう人が「もっとうまくなる」ためにはどうすればいいんだろう?

答えが出ないままずっと気になっていた。

先日、弊社の講師に「一度、初心を抜け出れられない人と早い人の視線を比較できないか。その違いが解れば、皆に検索の方法のアドバイスができるかもしれない」と相談されたので、実行に移すことにした。(面白そうだから)

ということで、本日は3人の「日々インターネットはしているし、御買物もしている、調べ物もしているが、検索が早くない3人組」という所謂「普通」の人(以下「普通の人」)と、弊社の「おはようからおやすみまでネット♪NO Internet,No Life」というネット中毒な3人(以下「中毒者」)に同じ課題を与え、その視点を比較した。

■普通の人と中毒者の違い

・検索用語に対する柔軟性
普通の人は検索用語を考えて入力する。入力した後に検索語を変えるのには時間がかかる。
中毒の人は思いついた語を入れて、結果を見てまたすぐに変えることが多い。自分のいれた検索用語に固執しない

・あきらめが早い
中毒の人は、違う、と思ったときに検索が速い人はすぐにあきらめて戻る。
普通の人は目の前の画面に答えがあるのではないかとずっと探している。

・読み込み時間の活用
普通の人は、読み込んでいる時間に待っている。中毒の人たちは読みこんでいる時間にページの他の部分を探している。

普通の人と中毒の人の決定的な違いは、サイトを見たときに「全体を把握しようとするか否か」に尽きると思った。
中毒の人は、サイト全体のどこに答えがあるのかと、サイトを見まわす。だから、スクロールもする。普通の人は、目の前に出てきたところの中で「答え」を探そうとするから、「ファーストビューって大切だよ!」と言われる所以なのである。

中毒の人は、よさそうなサイトに出会うと、まるで合コンに行ったときに素敵な異性を探すときの獲物の目のようにキラリーン★とサイト全体を見る。普通の人は、最初に会った人と話す。(この表現を使いたかっただけかもしれないです)

検索サイトだけではなく、同じ実験をモールでも実施したのだが、キーワードをなかなか変えない。自分の検索キーワードの正否について考えるより、目の前に出た結果からどうにか探そうとする。

中毒な人はすぐにキーワードを変える。

その違いがある。

「ユーザーに良い」サイトを作るには、中毒者ではない、普通の人の視線を認識する必要がある。

サイトを作っているのは、中毒な人が多いので、普通の人と、自分は違うんだ!自分は合コンの獲物を狙っているが、普通の人は狙ってないんだ!そんな認識の違いから始めることが出ればいいと思う。

▼普通の人

▼中毒者

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iPadとシニア

スタッフが持っていたiPadを取り上げて(笑)、教室に持って行ってみた。
教室で「これ、iPadですよ~」と言ったところ、まるでオオカミの群れに放り出された羊のようになってしまったiPad。

「あ、これがiPadね!」
「高齢者でも使えるんでしょ」
「ピアノ弾くのよね」
「本読めるのよね!」

と、皆さん目がキラキラ。(ギラギラ?)

実際に触っていただいたのですが・・・

以前、タッチペン式のPCをお借りした時に、皆が遠巻きで見るだけだったのが、今回は皆が手を出してくる。それってすごいことだと思う。

指で触れる安心感なのか、"使い始めること"に問題がない。(メディアの力も大きいけど)

ボタンがないし触るだけだから最初の障壁がPCと比べて格段に低い。仕事に使うものでも何かを作るものでもなく、テレビや新聞に近いイメージ。だから入りやすいのかも。

拡大・縮小は教えればすぐにできるようになるが、タップ、長押しの概念はつかみづらい様子。
また、拡大した後、縮小しない。「あ、あ、大きくなっちゃった!」と慌ててスタッフにiPadを渡す。
エラー対応はPCと同じイメージ。


Safariで検索していただく。まずはGoogleを触ってもらったが、入力はとても難しそう。
まず、入力したものがどこに出てきているのか気づかない。
変換の場所、結果の場所、入力中の文字がどこにあるのかが把握できない。
また、押下感がないために、同じ文字を何度も入力してしまうことも。
検索ボックスがもう少し大きければいいのに。あとは、場所が一緒であればいいのに。

日本語・英語の切り替えはとても難しそう。。。入力は考えなくちゃいけないですね。
あと、カーソルの移動は全然理解されませんでした。長押しは難しいです。

「設定はいらないのね!?」と聞かれた。最初、背中を押すのは、買ってそのまま使えることなのかも。

以上、iPad日記でした★

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ユーザーはあなたのことを大して思っていない!

アイトラッキングを利用したウェブサイトの問題点抽出サービス見エールですが、いろいろなECサイトさんにご利用いただいて、いろいろおもしろいことになっています。

アクセス解析の結果と合わせて「なるほどなあ」と思うことも多々、昨日はそんな用件で高知に講演に行っておりました。

とある会社さんの見エールを事前実施し、その場で解説をしていく実演?をしたところ。
そのとある会社さんの方が「なぜか、とあるページの閲覧数高いんだよねー」

その一言をヒントに
視線解析をしていくと、実はそのページは、オーナーさんが思っているような扱われ方をしていなかった・・・。

周りにいた人も「そうか、それは思ってもなかった・・・。なめてた、まさかそんなつかわれ方をするなんて・・・」

見エールをすると、アクセス解析の深みが増していくのです。皮の手帳のような。ん?

で、その時に話に出たのが「うちのユーザーさんは特別なんです」という言葉。

結構、ユーザーさんに前提知識とかあるだろうと思いこんでる方って多いんですよね。
#うちもそうです。

「きっとユーザーはうちが好きだ。」
「きっとオレの事が好きだ。」

でも、合コンを思い浮かべて下さい。

「あの子はオレを見てる。きっとおれが好きだ。おれが好きな事はきっと、あの子は好きだ」

って思っている方がいたら

女子高生風に「超どんびきー」って感じですよね。え、いまどきの女子高生はそういう風にいいませんか、そうですか。

正直なところ、私もこのブログやや長年やっていて、「このブログを見る人はきっと、どんなブログだとか、どういうことをわたしがやっているとか、かなり熟知しているはず」とかって思ってしまうこともあるんです。

しかし、実際はそうじゃない。

このブログからお問い合わせいただく8割の方はブログを2ページくらいしか読んでいない。

なんていう思い上がりでしょう。>自分

まさか、ユーザーが自分のことを研究して、愛し抜いて、それで購入とか問合せとかすると、思っているのでしょうか。

貴方の次に、ユーザーが自社サイトに詳しいとでも思っているのでしょうか。


自分にも言い聞かせたい、この言葉、実はオーナーさんも多くの方が思っている。

で、必ず次に続くのが「でもそれがポリシーなんです。僕はそういうお客さんに買ってもらいたい」

それって、選挙演説で「しゃべってるんだから聞け、コラ」と言っているのと同じじゃないですかね。

昨日、講演でいったこと。最近とても、思うこと。

ユーザビリティ向上の王道は
1)ユーザーを知ること
2)ユーザーの考え・視線を知ること
3)自分の意識を、変えること。

ユーザーは僕の嫁、みたいな感じで、ユーザーを思いこんでいて、違うユーザーだったとしても「それ、違う、僕の嫁じゃない!」というスタンスでいる限り、ウェブユーザビリティの向上は見込めない。うん。自分の敵は自分なのだ。その殻を破って、はじめて、リニューアルが始まる。

ということで、近いうちに見エール無料体験します。
ボコボコにしてほしい、ちょっとMっ気のある方のほうがいいかもしれません(笑)

見エールでは制作会社さんやアクセス解析やさんとチームを組んでご提案している事が多いです。もしご興味のある制作会社サンやSEM会社サン、いらっしゃいましたらお気軽にお問い合わせください。


#しかし、SEOと見エールを合コンでたとえていたら、すっかり合コン好き見たいに思われてしまったんですが、実際はもう5年くらい合コンしてません。おじいちゃん合コンとかはするけど。(笑)合コンは好きでも、嫌いでもなく、誘われないんです。それだけです。

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世代?年代?インターネット!

ここのところ、とても忙しかった理由の一つとして、面接を行っていた、ということがある。
弊社パソコン教室のインストラクターの採用面接である。
欠員が出たわけじゃないのに、なんとなく、教室が回らないため、追加採用となった。

なので、今回の採用の目的は「即戦力!」
未経験でもいい、知識がきちんと合って、ユーザーの側に立とう!という意識がある人を重点的にチェックした。
採用広告には「パソコンが好きで、パソコンの楽しさを伝えたい人!」という内容を提示。

不況の影響か30名近くご応募頂き、18名、面接を行った。

試験問題、というか、良く聞かれる
1)「マイコンピュータとマイドキュメントってどう違うんですか。」というキレ気味質問
2)「Yahoo!とグーグルって何が違うんですか」という質問
3)「パソコンの維持費用っていくらですか」という質問の意図を質問者に質問しなければいけない質問
4)「楽天ってなんですか、なんで儲かってるんですか」というなんじゃそりゃ、な質問

これを質問し、その回答で質問がどの辺を見ているのか(ユーザーなのか、自分なのか、上からなのか、平等なのか)をチェックするやり方です。

その中での感想・・・

■パソコンが使える、という幻想?それとも、「使える人」の基準がおかしい?

「パソコンは仕事以外で使う事はありません」という人が見られる。「パソコン好き!」と大きな声で言える人を募集したのになあ。
「パソコン大好きです。毎日ずっと見てます」という方も「Googleって何?」と聞くと「googleとか、使ってないので答えられません」という人も。それでも、「パソコンインストラクター」という職業につきたいと思っている方ですから、私なぞは「オタク」と言われても仕方ない気がしてくる。中学生にとって25過ぎたらみなオバサンなようなものである。(最近はおばさん、と言われて振り向くようになった私が嫌い。)

「ネットで買い物とかは?」「恐いんでしてません」という40歳代。「私、インターネットショッピングとかって信じてないんです。個人情報流出が恐くて。なんか、それに、難しくないですか?」(心の中で「どこぞのシニアじゃ」と突っ込む。気持はわからないでもないが、先生としては「インターネットショッピング楽しいよ!」と言って欲しい)

「ネットで買い物は?」「ケータイでしてますから。」「パソコンでは?」「あんましないですけど、パソコンのサイトってごちゃごちゃして買いづらくないですか?」

「マイコンピューターとマイドキュメントの違いは?」「そういうのは調べてみないと解りません」(・o・)

「パソコンってどうやって選びました?」「最新のOSを選びました」(いや、そこじゃないだろう!それもありだが・・・)

一応「パソコンが使える人」で「パソコンインストラクター」を募集しているのである。なので、応募して下さった方々は「自分はパソコンを使える」と思っている。

そして、たぶん、普段から使っている。問題なく。

周りからも使えると思われているレベルなんだと思う。(そう言う意味で、うちが求めているのは特殊)


■答えられる方がおかしいのかもしれない

「楽天って何ですか?」という質問。昔「野球は詳しくなくて・・」と回答した方がいて、それはそれで微笑ましいと言うか、予想外の展開で「野球かっ!」と突っ込みを入れたかったのですが、今は、そんなの「そうだよね、楽天と言えば野球だよね」と言える位まで、驚かなくなった。勿論突っ込みも入れない。

「野球では無くて、サイトの方で」と断りを入れるほどだ。

で、一番多い返答は「検索サイトです」。

最初は!?と思っていた回答も、連続してそう答えられると、自分が不安になる。楽天は、仮想商店街を越えて、検索サイトなのか。たしかに、旅行もあるし、なんでもある。でも、Infoseekの事を話している訳じゃなさそうだ。

この間中学校ボランティアで中学生がアメブロで検索していたのを思い出す。「なんでアメブロで検索してるの?」「だって、たくさん結果が出るから」「Yahoo!とかgoogleとかで検索してみたら」「どうして、アメブロじゃ駄目なの?」「だってアメブロってブログしか検索しないじゃん」「十分だもん」

きっと、素人には、Yahoo!もGoogleも楽天市場も、amazonも区別ができない。すべては「検索結果」なのである。ぐるなびも、食べログも、「検索結果」。それが、きっと、世の中の「あたりまえ」にとって代わる。

「断然Goo検索、それもグリーンレーベル」とか言ってるうちのスタッフSは変人で、今時の「ふつー」だと「やふーとか、ぐーぐるとか、区別しちゃうのうざい」って感じなんだろう。

今時の子はインターネットも問題なく、とよく言われているが、反対に情報過多の為、「何をしていいのか解らない」という子が多い。中学生を見ていて思う。なんでもできる、ということは、なんにもできない、ということだ。

そして、苦労してた世代は昭和ヒトケタのおにいたまのように、検索技術を駆使して、「真実」とかいうのを探すのだが、それを見た平成キッズは「うわー、歴史っぽーい」とかいいつつ、まったくの他人ごとなのだ。

■ 「使える」が、変わっている。

もし、あなたが、昭和ひとけたユーザーならば(インターネットをたくさん使っていて、RSSとか使っちゃって、Twitterとかも入ってて、、、)、「ふつー」とかい離している事を疑った方がいいかもしれない。そして、時折「ふつー」の人と話して、自分がショウワヒトケタっぽいネットユーザーであることを悟った方が良い。

ウェブサイト制作者も、業者さんも、誰もかも、もし、「ヘビーユーザー」なら、「ふつー」の視点との接点を持った方がいい。今回、本当にそう思った。結局、ヘビーユーザーの採用にしてしまったが、ふつー視点を一人は採用すべきだったか、悩んでいる。どうなんだろう。

次回は、「インターネットと世代」を書いてみたい。(って、前も何か予告して書かなかったので、「予告は適当に変わります。」)

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パソコンという雲の中

大変ご無沙汰しております。
なんだかバタバタしておりまして、書きたいことが溜まっていたのに、なんだか書けない状態(次々と起こるためになにから書けばいいのか分からない状態)になっておりました。

さて、今日はここ1ヶ月の中で比較的大きなイベントだった「新宿区民のためのパソコン買い方講座。」

50名の定員に100名近くお申し込みいただき、60名の方々にご出席いただきました!。(そもそもの定員が謎)

昨年も同様の内容の講座をしたのですが、質疑応答30分、まるっとおじさまに取られてしまったので、今回は学習!先に質問項目をアンケートとしてとり、それに回答していくようにしました。

題名はパソコンの買い方講座なのですが、どうも「どこまでがパソコンなのか」ということが判別しない様子。
メインの受講生は「買い替え」の方だったのですが、プロバイダに質問が集中・・・なぜ?

最初に配布したアンケート用紙に「今日聞きたいことをご記入ください」ということを書いてみた。

すると、書かれた内容は「現在使っているパソコンのメーカーを変えた場合、その手続き方法は」だったり、「言葉が難しいのはなぜですか」など、ちょっと本質すぎて答えようがないものだったり、「ワープロのほうがよかった」と愚痴が書いてあったり(だから、なぜ。)「パソコンを変えたらインターネットはどうなるんですか」などなど。


質問項目を並べてみてみると、そこから感じるのは「利用時の不安」。
なんとなく、使ってはいるけど、なんとなく、雲の中。

で、雲の中なので、毎日手探り状態で、

[はい][いいえ][キャンセル]

と決断を迫られると涙目になる。
何をしたらそれが出てきたのか解らないのに、突然迫られても。というのが利用者の本音。

#ちなみに、アンケート用紙には
「はい」「いいえ」「キャンセル」とだけ書かれたものもあり、何か危ういものを受け取ってしまった気になりました。でも、たぶん、そんな感じなんでしょう。

インターネットでお買い物も「雲の中」
なのに、制作者は自分の都合で自分ワードを突き付けてくる。
「これくらい解るよね?」
そして思わず、閉じるボタン。
その位「なんとなく」の状態で迫られるとすごく怖い。
自分の理解の範囲にいる訳ではないので、恐る恐る使っている感じ。
「使えるんだけどね、仕組みはわかっていない」

その仕組みという言葉は何を指すのかイマイチ全く分からないが、「仕組みが解らない」


帰り際に質問にいらしたおじさまは最近パソコンを買ったそうだ。100円のものを。で、イーモバイルに入ったのだが、イーモバイルの使い方が解らない。「イーモバイルを教えてもらえますか」・・・どうやって?何を。

接続の仕組みを簡単に説明するも、腑に落ちてくれない。

「どういうことで困ってますかね」

「イーモバイルだから悪いんだと思うんだけど。」

と、前置きがあったうえで

「市議のページを見ようとしたら何かが出てきて、同意・同意しないを迫られるんだよね。全部読んだけど、なんか怖くなって、キャンセルしたんだよ」

「なるほど」

「日にちを開けてまた見ようとしたら、また同意を求められるんだよね」

(そりゃそうだ)

「それって、イーモバイルが悪いんじゃないかと思う」


・・・。


(たぶん、PDF)


解らない、雲の中ってこんな感じ。

原因が解らなくて、違うものに押しつけたくなる。

ウェブ制作者も、ソフト制作者も、もっともっとユーザー視点を体の中に組み込んでいければいいなあと思う。
楽しいとか、不安とかの気持ちを、共感できるとは全く思っていないし、自分も共感できる気はしないが、「自分とは違う気持を持っている」「自分の理解できない不安を抱えている」と認識するだけでも、大きくウェブサイトやソフトやサービスは変ってくると思う。

ユーザー視点は、今のところ、なんだか「まーた偉そうなこと言って!」という感じになりがちだが、もっともっと「ユーザー視点!」ということが庶民的であってほしいなあ、と思う。

相手を支配下に入れるんじゃなくて、相手を尊重して、自分とは違う人間なんだと認識して、お互い、助け合うというか、お互いを思いやる何かって、すごい重要だと思う。難しいけど。

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自分メモ:クリックの回数と命中

1回ですか、2回ですか、右ですか、左ですか
クリックとダブルクリックはどう違いますか

こんな質問が多い。

クリックの回数をクリックできるところに表示できる仕組みはできないのだろうか?

さらに、どこをクリックすればいいかという質問が多い。

男性の御手洗いの様に(見たことないけど、そういうニュースを見た。断じて、覗いたりしてない。)
命中マークか何かをアイコンのところにつければ、命中したりするのかな。
マウスの握り方、見ているところとマウスの場所が違ったりするのって(スクロールのときに)問題よね。

と、ふと、思った。

不況の影響か、再就職先をおやめになった方が最近多い。
最近はインターネット初心者講座も定員オーバーがほとんどなかったのだが、今日の講座は定員オーバー。
みんな「歳をとったときにカラダが動けなくなると困るから、インターネットで買い物が出来るようになりたい」とのこと。

これから面白そう。

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何を見て、お電話いただきました?

先日、EC協議会の会員さんと飲む機会があり(というより、一応メンバーなので・・)その時にいろいろ盛り上がったのですが、

シニア層はとにかく問い合わせの電話が多い!

というのでプチ盛り上がりました。

もちろん、弊社のシニア層も使えるウェブサイト制作のためのウェブサイトガイドラインには「必ず電話番号を明記する!」というのがありますが(基本のき、です。ヘッダー、フッターに営業時間つきで!)、シニア層ユーザーを逃したくなければ、まずは電話番号を記しましょう。

そんな話で盛り上がったのですが

「一応、電話がかかってきた時に、『どこのホームページを見てお電話いただきましたか?』と聞くんですよね。」と某氏が仰る。

「するとさ、Yahoo!だって言われるんですよ。でも、それがYahoo!ショッピングなのか、Yahoo!の検索結果なのかは解らない。。。詳しく聞くと、電話面倒と思われちゃうし・・・」

そうなのです、最近は、どこのサイトで見ているという意識がとてもとても低くなっています。どこのサイトというくくりは作っている人側のくくりで、使っている人にとっては、「表示されているものが全て。」

先日も、レストランを探しているNさんが、「いい店を見つけた!インターネットで!」と仰っていた。

使い勝手を知りたかった私は「どのホームページでした?」と聞いたところ、「Google!」と。

「ぐるなびとか、食べログとか。。。」「えー、そういうのって解んない、とにかく、Googleだったわよ」

まあ、一事が万事そんな感じなわけで、ほとんどのウェブサイトはGoogle帝国とYahoo!王国の傘下にあると思っている人もいる。(そして、同じサイトが同じ結果ではないと考えている人もいる。)

ところで、先日同じような話で、違うオーナーさんと盛り上がった。
ウェブサイトに電話番号を明記するようにしたら、電話での問い合わせが増えて、電話のお客様は「比較的高額消費をする」と喜んでいらしたのだが・・・

「でもさ、電話だとアクセス解析ができないんだよね」

「そりゃそうですね」

「この間さ、どこからうちのお店を探しましたか?って聞いたらさ」

「どこでした?」

「右下って言われた・・・」

「右下でしたか・・・・」

「それ以上、聞けなかった」

「聞けませんよね・・・」

ユーザーは思っている以上に何を見たかなんて意識していない。
特に、インターネットは、それが何かなんて解っていない。

いずれ、「パソコンを見て電話しました」というところも増えてくるだろう。
そういうもんなんだなあと思っていただければ幸いです。

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クリックとダブルクリック

大は小を兼ねる

じゃない。と、年末に叫びたくなる。

どうも明日までに年賀状を出さなくてはいけないとかで、12月の頭はお祭りだった教室が、今は悲壮感があふれるような教室になっている。余裕がある人は年内の通学を終え、年末の用意に余念がない。つまり、今いらっしゃる方々は パソコンがうぐぅ。とか うおぉぉぉぉ、パソコンが壊れた! みたいな、そういう、方が、多い。

66歳になるS女史は、焦りやすい性格なのだが、いつだって、ギリギリである。ギリギリだから、焦る。

長年のお付き合いであるが、(最近は年に1回だけど)普段は、本当に普通の方なのだが、ちょっとしたパニックなことがあると本当に驚くぐらいの慌てた行動をし出す。

ゆっくり気味のパソコンから宛名面がでないと慌てた電話があった。「午後、行きますから!」

いらしてから見ていると、あまりにも焦るので、何度もクリックしてしまい、それがゆっくりパソコンをフリーズさせている原因となっていることが解った。解ったが、それはパソコンの問題というより人的問題なので、「息吸ってー」「はい、はいてー」みたいなことしかできないのが悲しい。

そして彼女が叫ぶ。

「クリックなの?ダブルクリックなの?」

「ダブルクリックは、2回クリックなの?なんかいクリックするの?」

「クリックと、ダブルクリックはどう違うの?」

「今のクリックは何回なの?」

そう、とても多くの人は、クリックとダブルクリックの違いがつかない。
だから、ソフトとかでも「1回クリック」とか「2回ダブルクリック」など「お腹が腹痛」みたいなことが書いていないと一瞬解らない。

Sさんだけじゃなく、61歳のWさんも、クリックするときに、さりげなくダブルクリックをしている。
大は小を兼ねると思っているんだろう。

そういえば、私もうまくクリックとダブルクリックの違いがわからない。
シングルクリックの設定にすればいいじゃないかとK君に言われたが、それは、フォルダ内に出たときに思わずクリックしてしまい、開いてしまうのでイマイチなのである。マウスを当てた瞬間に「これを開くならダブルクリック!」とかいうメッセージが出ればいいのか、キーボードに開くボタンを付ければいいのか、ソフトを起動しすぎたときには「はい!深呼吸!」というメッセージが出ればいいのか。

正解はでないけど、なかなか悩ましい年末です。

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