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セカンドライフの妄想、もしくは幻想

セカンドライフと言えば、多くの人は電通のバーチャルハッピーリタイヤメントを思い浮かぶのではないか。(そんなこともないかもしれないが、そういうことで話を進める)

社交ダンスに旅行、年金さえ入れば毎日遊んで暮らせる。
そんなシニア層をターゲットにシニアマーケティングを、まさか実行している人などいないと思いたい。まさかね。

まず、そこまで余裕があるのか、ということ。まず年金額をチェケラッチョである。
私の知り合いの比較的余裕がありそうなおじさまは、「今までと同じ生活ができない」ことにストレスを感じていた。絶対に退職金もがっつり貰っていそうなのに、減る恐怖があると仰っていた。

次に、退職をして、遊び暮らす、というのは、国民性なのか、少し難しいみたいだ。
もちろん、ハッピーリタイヤメントをしている人もたくさん知っているが、多くの退職したての一般市民は、リタイヤをしてから、情報に疎くなることに(世間から忘れられること、世間との距離が開くこと)に恐怖を感じているように見える。


退職をすると、情報に疎くなる。と言う話をよく聞く。

会社に行く、人に会うということは、意識しなくても情報が流れ込んでくるものだ。
例えば、若い女子社員の服装を見たり、話題を聞いたりのインプット、そして、誰かと話すアウトプットによって情報が流動し、自分のものになる。

誰ともしゃべらないところでは、情報は入りにくいし、発言する事もないので、咀嚼しにくい。(情報はインプットとアウトプットのバランスで定着するんだと思う)

実は、外に出ていると、見ること、聞くこと、考えること、話すことが自然な形で培われている。
10年以上前、マラリアで1週間ほど、病院の中だけでおとなしく(口の筋肉は衰えなかったけど)暮らしていたときに、病床から出た時に、「歩くとは、こんなに筋肉を使うものなのか」と実感した。そんな感じが、情報源との接し方にあると思う。当たり前だと思っていることは、意外とハードなのである。

おじいさま達が、「僕はまだ、現役だから。だから、彼らとは違うから」という言い方をする。現役で働いている「彼ら」の外側の「彼ら」は、現役でない人である。

その差は、現役の人は、大きいと感じている。退官した人は、あまり感じていないかもだけど。



定年退職をして人と会わなくなった、アウトプットがなくなったというだけが問題なんじゃない。そこに、加齢の問題が加わる。

いつか、この話を詳しく書こうと思っているが、先日、「歳をとると目が悪くなるから読むのがしんどくなる」という意見を聞いた。その通りだと思う。では、耳は大丈夫かと言うと、耳も多少遠くなる。知らない言葉を認識しづらくなる。認識しようと変換している最中に話が進むので話を理解できなくなる。自分の知りたい話だけを、自分の中で組み立てる。

そして、身体機能が低下していくと、少しずつ、少しずつ、情報を集めることすら面倒くさくなる。
新聞はルーティンで読む。テレビは見るともなく見る。
それをアウトプットしないので、考えがまとまらなくなる。

そんな状態が、定年退職後、意識しないとはじまってしまう。
普段のことを意識するのは難しいが、意識しないと、大きな差がついてしまうのだ。



だから「ウキウキハッピーリタイヤメント」などという言葉が、シニアビジネスに直結しているのかがどうもわかりにくい。
彼らと1年もほぼ毎日過ごしていれば解りそうなものなのに。
数字上の彼らには見えない姿が、生の市場にあるのに、どうしても、多くの人は数字で完結したがる。まあ、解りやすいからね。でも、解りやすいことには、得てして、誰かによってうまくまとめられているってこともあるんだってこと、忘れちゃあいけない。自戒の念。

ということで、セカンドライフの妄想、もしくは幻想、ちょっと水嶋ヒロに影響されて(嘘)文学少女っぽくタイトルつけたのですが、市場はそんなものですよ。と言う話。
お父さん、お兄さん、おじいちゃんに最後までウキウキイキイキライフを送っていただきたいのであれば、私は、ギリギリの負荷をかけて、甘えさせず、仕事をさせるというのが大切だと思うなあ。まあ、高齢者の就労については色々諸論ありますが・・・


以下余談。
そういえば、インターネットが発達して、地域差が全くなくなるというバラ色の未来(というなの妄想及び幻想)は、「東京はすぐに出会えていいな」「結局地方は遠くてね」という言葉で片づけられた気がする。

確かに、より自然体に情報源に近付けるのは、都会のいいところだと思う。
私は、東京で育っているので、その「すごい」と言われることをよく理解できていないのだが、たぶん、それは、日常の行動として、意識しないところに「情報源」があるんだと思う。たとえ、近所のユニクロでしか服買わなかったとしても。

#とはいえ、東京人は、どこにでも行ける可能性を持っているのに、比較的自分で自分の可能性を狭めているから「すぐに会いに行ける」「見に行ける」とするには、モチベーションが必要だとも思う。

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