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余命と学び

Aさん(70歳男性)の口癖は「大体解った」である。
「大体解ったからもう、これは飽きた。次やりたい」

「どうせ先は短いんだから、ワードとか、エクセルとか必要ないし。大体解ったから、もうやりたくない」

必要ないと、公言するなら、なぜするのだろう?

いろいろなことをかじるのは、いいことだと思う。が、入口にも立たないで、玄関を遠くから眺めて、「やった気になる」というのは、なんとも納得いかない。富士山を見て「あ、富士山ね、登った登った、十分。」という感じか。

学ぶこと=考えること、新しい知識を自分のものにする ということは、老化すればするほど、たいへんだ。
脳が硬くなる(という表現をする)と新しいものも、なかなか入りにくい。
その苦痛が快感に変わるのが「学び」である。
ところが、苦痛を感じるとすぐにお手上げになってしまう。本当に残念に思う。

一方、Kさん(72歳女性)は対照的だ。
「パソコンをやり始めてから、ここに無限の世界があるって知ったの。だから、焦らずに一歩一歩踏みしめていこうかと思って。」と仰る。

彼女はマウスがうまく動かせない。
いつも手首をきゅっと捻ってしまうから、クリック先が上手に命中しない。
それでも、一歩一歩、歩んでいる。
「年をとると、脳味噌が硬くなるからね。忘れちゃうのはしょうがない。だけど、少しずつ刺激を与えて、勉強したいのよ。そうじゃないと、ボケちゃうわよ。高齢だからって諦めていたら、何もできなくなっちゃうものね。死ぬ直前まで、いろいろな物を見て、吸収したいの。」

最近、学ぶということについてよく考える。
中高年向けの本だろうが、下記のような本を先日読んだ。

人は「感情」から老化する―前頭葉の若さを保つ習慣術 (祥伝社新書)
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内容は、”新書”らしく、読みやすい(でも中高年向けの指南書)。
高齢者は、脳は縮小するものの、考える力などは変わらない。ただ、そのモチベーションとなる「前頭葉」が動いてくれないとすべてがうまく動かない。だから、前頭葉に刺激を与えよう。(与えるためには云々。と指南)という話である。

私がたくさんの高齢者を見ながら、人は誰でも老化する、その老化を受け入れることが重要なんだとつくづく感じる。
高齢になって、出来なくなることが増える。それを悲観しないで、受け入れる。その代り、知識と知恵と経験は増えている。それを活かして、自分らしい学びや発見、刺激を受ければいいんじゃないかな、と思う。

高齢になって「自分は若者と同じ」なんて、ありえない。
先日もサウナに行って中学生が横にいたときに、あまりの肌のぴちぴちっぷりに、ちょっと感動した。(はははー。)
人は老化している。だから、できることがある。それを若者と比較したりするのはおかしい。

そして、学び。

高齢になったからこそ、新しい刺激として、しっかり学ぶというのは重要なんだと思う。
先述のKさんは、仕事を辞めてから、高校に通ったという。できないことをできるように努力する力、できないことを認め、あきらめない力、それは学ぶ力なんだと思う。「勉強ができる」というのではなく、「考える」ということ。

Kさんがぽつっと言った。
「若い子ってね、異性のことばかり考えてるのだと思ったのよ!」(!)
「でもね、高校に行ったらみんな寝てるかケータイしてるかしかないの。自然に学べる脳の柔らかさなんて若いうちにしかないのにね。残念。年を取ってからだとできないことも増えるのに。」

年をとってから気づくことは多いんだと思う。若いうちは、当たり前のように毎日が刺激で、箸が転がっても大爆笑だ。それに刺激を受けなくなる「脳の硬直化」(この表現が正しいか解らないけど)は努力で柔らかくするしかない。

今より若い時はない。新しい刺激に常に新鮮であるように心がけようとKさんと話しながら思った。
取捨選択は必要ないけど、触りだけで解った気にならないように(全部わかる必要もないけど)、いろいろ、いろいろな物を吸収していこうと思った。自分も老化しているだけに、新しいことを吸収しよう、という意識を持たなくちゃいけないなあ。

パソコン以外に、日本の高齢者に刺激を与える、そんな事業ができればいいなあ。と思う。


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