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インクルーシブデザインワークショップのお知らせ

Re:Creator's Kansaiと京都大学インクルーシブデザインユニット共催で、11月19日(水)にインクルーシブデザインワークショップが開催されます。

という、お知らせを頂きました。

インクルーシブデザインワークショップ


インクルーシブデザインとは?

インクルーシブ(inclusive:包括的な)デザインとは、高齢者や障害のある人などの特別なニーズを抱えた消費者をデザインプロセスの上流工程へと積極的に巻き込んでいくことによって、そうした消費者が引け目を感じることなく利用可能なものづくりをめざす手法です。


今回の御題は高齢者・障害者とケータイとのこと。
実際にご高齢の方とか、障害をお持ちの方がいらして、ワークショップを行うとか。
ここのブログを読んでシニア層って・・・と思うより、本当に百聞は一見にしかず。
100本の恋愛小説は1本の恋に劣る、ということで、是非是非ご参加下さい。

お問い合わせやご質問等に関しては、TRANSのあらたのメール、もしくはmixiまでだそうです。

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都合の悪い話は聞かない

今日は比較的静かに朝が始まりました。
6名のシニア・シルバー層が朝一からお勉強されています。

さて、Yさん56歳。
「パソコンって思いもしないことがあるから混乱しちゃうんだよね」と仰います。

今日の彼の「思いもしないこと」はスタンバイに関係する事。
画面が暗いのにランプがついている、ということがどうも気になって仕方ない様子。

スタッフが説明する。
渾身の力を込めて、それはスタンバイになっているのかもしれないと説明する。

「うんうん、そうなんだ。でさ、おかしいんだよね。画面が消えてるのに(以下ループ)」


いや、まったく人の話を聞いていない。
思わず後ろから突っ込もうかと思った。

Sさん80歳。
写真が趣味。
DVDに写真が入らないのはCドライブの空きが小さいからだと思い込んでいる。
原因は写真が多すぎてDVDから溢れてしまうのである。

「DVDは引っ越しトラックみたいなものですからね、積載量が多すぎるといっぱいです、って言われるんですよ」月曜日の朝は笑顔も通常の1.2倍(自分比)

「うん、そうなんだ、で、このCのピンクが少ないからDVDに入らないんだよね」

彼は外付けからDVDに焼いているので、関係ない。

「うー。関係ないですねー。このCはパソコン本体で、SさんはこちらのハードからDVDに行ってますよね。云々」

「ふーん。で、Cドライブは・・・(以下ループ)」

結局、思い込んでいる内容は人の説明なんて聞いていない。特に男性でこの傾向が多い。

目の前にいるNさん74歳。最近パソコンにはまっている。

「この文字を中央揃えにしてね!」と嬉しそうに話す。

「これを右に揃えるにはどうすればいいんだろう?」
スタッフが右揃えを説明する。

「そうかー。ぼくはてっきり、スペースで右にやればいいのかと思っていてね」

「まあ、それよりも右揃えの方が楽ですよね」と笑顔のスタッフ。

「で、僕は家でずっとスペースで右にやっていてね(以下ループ)」

彼らは、自分ルールを作る。野村監督のゲン担ぎみたいなの?このパンツを穿いていたら勝つから、ずっと穿き続けるみたいな。

自分ルールを改革したり、是正したりするのはとても難しい。
長年生きていて、頑固になると言うよりも、そう思うのだ。思い込んでしまう。

思い込んでしまうと、他の人の意見は耳に入らない。
質問をしても、聞く気はない。

最近、高齢者向けの機械について考えさせられる機会が多いのですが、最初の印象で、どれだけ間違いを減らすか、間違わせない・思いこませない仕組みを作るかが今後事故をなくすキーになるんだなあと思う。

「ところで、DVDに入らないときは」とまたSさんが私に声をかける。

こうやって日曜日にためた笑顔エネルギーが摩耗していく気分になる。(笑)

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言っている事、やっている事

心配なんかしてないんだから!と ツンデレは多少時代遅れの感もありますが、ツンしか持ち合わせていない森です。
ツンというより、槍に近いですね。もちろん、先っぽは猛毒ですが。

さて、言っている事とやっていることが違うのはよくあること。
私も度々あります。禁酒なんて宣言した3分後から・・・

さて、Iさん61歳女性。

パソコン歴1年。
ずっと自己流だったために、色々な機能が解らない。
仕事で必要になったために通い始めた。

私「では、チカチカ(カーソル)よりも後ろを消したいですよね?では?」
Iさん「デリート」

私「そうですね!」

と、IさんはBackspaceを思い切り押し出した。

私「あう。」

Iさん「あれ?」

私「うぎ」


Iさん「あああああああああああなんか、変なのが消えてる!」

変なの、消えてない。変なのの反対方向が消えてる。

こっちがバックスペース、こっちがデリート。どんなに言っても覚えられない。
覚えようとしないのではない。メモも取っている。
ただ、キーを押す時に、考えない。
明らかに、適当に押している。


「あたし、自己流だから、だから悪いのよね」

ちがう。自己流は悪くない。
ただ、その起きた行動を自己流のせいにするならば、自己流は浮かばれない。
自己流と言う隠れ蓑で、間違う理由を述べる。
間違いを克服しようとせずに、何かのせいにしているために、間違いは直らない。
そして、思ったものと違うものが、今日も消えていく。嗚呼。

「なんでだろう~」もう、テツandともも流行っていない。

とにかく、思っている事とやっていることが違う事がままある。これはパソコンの操作だけではないけども。
そして、それに対して、学習効果があるはずなのに、学習しないと言う意思が固い人もままいる。

サポートセンターは大変だと思う。
彼らは、目の前に見えているものをそのまま伝える事は多くないし、やっている事と言っている事が違う事もままある。だからマニュアルを作る時にはこれでもか!と間違えないようにつくるのであるが、難しいなあ。としみじみ思った。

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シニア層との遭遇-K君の場合。

最近、弊社にインターンのK君が入った。なんて勇気のある人なんでしょう(笑)

K君は某大学某研究室でヒューマンインターフェース系の研究をしている。
「高齢者の操作を見たいんです★」と飛び込んできた彼に「じゃあうちでアルバイトをしよう」ということで、インターン第1号となった。

さて、だいぶ慣れて来たと思われるK君に、入る前と入った後どう変わった?ということを書いてもらった。
それをここで披露しましょう。もちろん、了解は取ってあります。少し改変してます。

★入る前の「高齢者」像(思い込みの怖さ)
高齢者=孫 と思っていた。また、高齢者は積極的に情報を探すパワーがない、受け身の姿勢と考えていた。

★入った後の「高齢者」
キーボードやマウスは大きな障害だと思っていたが、それを乗り越えてエクセル、ワードに取り組むシニアに驚いた。基本操作を覚えたシニア層はそれぞれの目的に向かって想像以上に意欲的だった。

★高齢者がもつ二つの側面
高齢者が持つ側面で印象が強いのは
1)初心者であること
2)高齢であること

初心者であることは経験と反復で成長可能である。
加齢が成長の障害となる事が多い。特に障害は周辺視野特性と短期記憶力の低下。

<周辺視野特性>
・「閉じる」ボタンやスクロール対象の間違い
・操作対象の探索範囲の縮小(要は見える場所が少ない)

<短期記憶力の低下>
・原因と対策を深く理解し記憶が定着しないとすぐに忘れる。
→問題が発生した時に解決方法だけ覚えようとすると脱落する

[まとめ]加齢による問題は避けられない。意欲があっても同様に降りかかる。
パソコンから脱落させないためにこれらの側面に対策する必要がある。

★その他
・予想外の出来事に弱い。
→半分パニック状態に陥り、その状態から動けず、簡単なメッセージも理解できない
[大人が失敗を怖がらないための対策が必要]
森注)そういえば、家にゴキブリが出た時にこんな感じだ!

★感想いろいろ
・始める前は意欲を持ってもらうには?と考えていたが、現状は使いたくても使えない事がハードルなのだと実感。高齢者層をひとくくりにしていたが、年齢層によって特性が全く異なる事が解る。対象年齢を限定するか、すべてに共通する問題に取り込むか。ただし、教室に通っている時点で意欲的であると言う事も忘れずに。
・自分が意外とワードやエクセルを使ってなかった。

■森雑感
[エラー]
エラーが発生した時に頭が真っ白になった場合、そこで原因を述べても聞こえない。ところが、対処が出来るとエラーが発生したことを忘れようとする。ウェブでもパソコンでも、エラーをどう表示させるかはとても重要。起こらないのが一番いいんですけどね。
[男女]
男っぽいとか女っぽいとかは天性的なものなのか、後付けなのかは知りませんが、女性は得てして「考えなくても良い」と育てられたために、考える事が苦手な気がする。だから結果を知りたがる。
男性は理屈を言う自分が好きだ。だから、理屈っぽく覚えたがる。おかげで遠回りしちゃうこともある。まあ、好き好きだ。
[年代]
年代は大きな差となる。育った環境+加齢が入るので、予想もしない変化球になる事がある。
5年前、団塊世代はどうなりますか、と聞かれ、どうなるだろう?と思っていたけど、やはり加齢症状が強くなっている。年代特性+加齢の法則。環境が世代に与える影響は大きい。
[教える事]
教えていると、いろいろ細かい事が見えて来る。運転をすると性格が見えると言うが、教えてみると、相手の性格は比較的把握しやすい。だから、モノヅクリの時に、誰にあてて作ろうかと言う事が想定しやすい。
是非、皆さんも教えてみてください。
とはいえ、少し現場を離れると、教える力が激減しているのが解る。言葉なんてそんなに簡単に出て来ないんだなあと驚く。

これから、K君には少しずつ記していただこうと思います。こちらも新鮮な気持ちになれます。Thanks!

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自由な時間

自由、という言葉ひとつとっても小論文が書けてしまいそうな感じですね。

自分が高校を辞めた時に、自由とは、規制の中にあるということを感じました。
本当に自由があると感じるのは、何らかの縛りがあるから。誰からも忘れられたような状態では確かに、好き勝手はできるが、「良い自由」ではない。まあ、そのメランコリックは3ヶ月で終了し、ペナントレース中(野球)は「学校辞めてよかった!」って思ってましたけどね(笑)

先日、Into the wild という映画を見たのですが、だれにも邪魔をされない自由は完全な幸せではなく、幸せをシェアすることが幸せなんだよなあ、と思わせる場所がありました。秋はどうもメランコリックな感じです。ええ。

さて、今日から70歳以上のパソコン講座。
参加者全員女性。

自己紹介の時間を設けているのですが、その中の最年長の76歳が仰いました。
「先日父が亡くなりまして。」

「ようやく介護から解放されたので、遊べるうちにいろいろなことに挑戦しなくては」

それぞれの年代にそれぞれの制限がある。
学生はお金がないし、若い社会人は時間がない。
子どもができればお金が足りない、ローンにも追われる。
そして、体力がなくなる。

すべての世代にそれぞれに悩みがあるのだと思う。
が、私の定義の「制限がある中の自由が一番幸せ」というのであれば、子供が独り立ちした後から、両親の介護まで(人によっては義理の両親も見なくてはいけない)がとてもとても楽しいみたいだ。

お金は潤沢ではなくても、体力がある。やりたいこともたくさんある。いきたいところもたくさんある。

私の知り合い(女性)は50歳前半でバイクの免許を取った。
昔学べなかったことを学んでみたり、最近では大学に通う人も増えた気がする。これが50歳から60歳中ごろくらいまで。女性の場合、更年期障害が終わるとパラダイスだ。(更年期障害中は結構つらそう)男性も60前後から更年期障害っぽくなるので、それが終わればパラダイス。

そして、そのあとから介護が始まる。
先の見えない日々である。
私は介護をしたことがないので、そのつらさは計り知れないが、見ているだけでとてもつらそうだ。
介護のショートステイに行っている時が心の休まる時だったりする。

そして、その方が天に召された時に、そこから「ラストスパート」が始まる。

介護をした人は、自分がなるかもしれない姿を見ているわけで、そこから、自分もしくは伴侶がそうなるまでの制限された(制限されていないかも?)わずかな時間を、いかに遊ぶか、いかにはじけるかということに注力する。

そのころから出てくる言葉が「元気なうちに」である。とにかく好奇心が溢れている。お金もそれなりに使う。
「だって、墓場の下にはお金を持っていけないのよ?」

シニア・シルバー層とものすごく大きな市場を漠然と狙うよりも、こういうその層の中での元気層について着目したほうがシニアビジネス(シルバービジネス?)にはいいのかなあと思う日々です。

元気があればなんでもできるっ!って、仙台の駅のポスターにありましたな。猪木?

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シルバー層向け製品についての雑感

最近では耳にタコができるぐらい、とにかく高齢化社会で80歳なんて珍しくもなくなってきた。
85歳からパソコン教室に通う人が最近増えていたりと、ここ数年はアクティブシルバーに着目すべき時代が来ている気がする。

誰しも、人は老いる。
まさか自分が、と思う。が、老いる。


余談ではあるが、うちの職場のいいところは、自分の先輩がたくさんいて、理想のシルバー像がうすぼんやりとでもできることである。異世代交流をもっとすべき、50歳代は80歳代と話すべきと思っていても、多くのシニア・シルバー層は若い人から刺激を求めても、自ら上の世代に学ぶことは、なかなかない。残念なこと。上の世代の話を無条件に聞くのではなく、自分の将来像としてみるとまた違う見方ができるのに。


さて、シルバー世代。
75歳の時からお教室にお通いいただいているSさんも今は80歳である。
非常にアクティブな方で、とにかくいろいろ出かけている。
75歳のころはものすごく活力のある方だなあ、と思っていた。
しかし、80歳の現在、話していると「ああ、人は皆老いるんだなあ」と思う。

シルバー向けの製品を作るときに必ず注意しなくてはいけないことは、とにかく短期記憶が欠落しているということである。なので、毎回今、どの状態で、これから何をしようとしているかということをさりげなく表示しなくてはいけない。

たとえば、Sさん。
CD-ROMの写真を外付けHDDに入れようとしている。
それは昔からやっている作業なので、特に問題はない。

CD-ROMをセット。そしてスタートからマイコンピュータ。

そこで、彼は言った
「あれ?CD-ROM、入れたっけ?」

私もよく度忘れをする。しかし、今の状況は度忘れというものではない。
スタート、マイコンピュータ、とクリックした段階でCDを入れたことを忘れてしまうのだ。

「え?いれたっけ?いつ?」

手順を間にはさむと混乱してしまう。
その後もCDの問題だけではなく、いろいろな問題で、直前の操作(彼らにとっては直前ではないが)を忘れてしまうのを目の当たりにした。

たぶん、知らない間にそうなってしまうのか?
なんとなくだけど、芸能人とか、知り合いとか、自分より年下の人が亡くなり始めるとそういう傾向が強くなる気もする。朝起きて、新聞で訃報欄を最初に確認してしまうという彼らのセリフが心にしみる。

仲良しだった88歳が、ある日栗をゆでているのを忘れて、気づいたら家じゅうに栗が散乱していたという、あわや大惨事、という事件があったのを思い出した。


今の80歳代はまだ元気である。
前述のSさんも、先日お母様をなくされたばかりである。
元気とはいえ、衰えがある。
地域社会でサポートすることもとても重要だけど、彼らが失敗しない製品をつくるということも、とても重要だなあと最近つくづく感じる。それは彼らのためだけではなく、若者のためにも。そう、大惨事に巻き込まれないためにも。

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