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老化入門5か条

老いとは、素敵なことである。

少し詩的に書こうと思ったのですが3秒ネタが思いつかなかったのであきらめます。
最近、老化が激しくなって来ている気がします。

さて、日常生活において老化となるといろいろ「こんなことしたら老化だよねー!」ということはあるのですが、今回はウェブでの話。

さて、現在老化に差し掛かる年齢のユーザーテスト(40歳代後半~50歳代前半)をしているのですが、業務と関係ないところで、気づいたことを数点。

1)若いと言うことは、判断が早い。
これって、若い人にとっては息を吸うぐらい当たり前のことなのですが、シニアに差し掛かりつつあると(私たちがいつも言っているシニア層のウェブ上の行動と同じ行動をとりがちな若い方)判断が遅くなります。
若い方は瞬時に「ああ、これはこうしたからこうなったのね」と因果関係を脳内で作り出すことが出来ます。が、老化がはじまると、それが難しくなります。結果ばかりに注力してしまい、なぜそれがおきたかの判断が多少遅くなります。それがウェブを解りにくくさせている原因でもあるのですが。

例えば妙なポップアップが出たとしましょう。若い方は「ああ、さっきあれを押したらそうなるのね」となります。しかし、老化にはいると「あ、出た。(しばし考える)出てるよねー。僕なんかしたかなあ」となる。

ただし、実はですね。もう、今、このブログを読んでいる時点で、老化しているんです。そうですよ、老化です。
その老化で頭が固い、柔らかいの違いがあるなあと思ったのは、中学生をみていても思うのですが、小さな成功体験を積んでいってしまう。

「あ、これできた。これからこうすればいいんじゃん。」

となると、他のやり方を偶発的にしかできなくなる。そのやり方に固執する。そして息を吸ってはいて老化している。気づいたら「これ以外のやり方はしたことないからしないもーん」というオトナ(老化済み)が出来上がる。

若い方はできちゃうから基礎を作らない。それが老化すると、大変なことになる。

ということで、よく聞かれる「今の若い世代が60になったときに同じことがおきますか?」という問いについて。
今の若い方が、今のやり方でいい、と知らない間に固執して息を吸って吐いてたら、確実に今のシニア層と同じになり、多分、私のような若造に研究されています。気をつけましょう。若い方。

2)新しいものの受け入れ態勢で若さが決まる

信念であればいいんですよ。これをやるというポリシー。
男性に多いのですが、会社でインターネットをしている。だから僕はインターネットが出来る。
しかし、実際に触ると操作に戸惑う。最後に必ず仰るのが「僕は普段このページを使わない。僕が使うページはこれとこれとこれであって、それ以外使う必要がないから使わない。」

黄門様もびっくり。その実況中継をお見せしたい。別に使わなくてもいいんですよ。
でも、必ずその後に自分の使っているサイトの説明をしてくださいます。
毎回同じ使い方のみをしている。だから、「インターネットは出来る」。けども、「使い方を知らないのは使えない」。これって、文字でみると普通ですけど、本当はすごいことです。

若い方のユーザーテスト(といってもうちでは40歳代ですけど)をやっていると、感動します。
「へー。面白いサイト知っちゃった。ありがとー♪」と仰います。しかし、これが、常に自分のやることが決まっている場合にはそうは行きません。それをみていてうむ、老化すなるものは。ということを発見してしまうのです。

3)徹底的無視をしたら老化

さりげなくはてなユーザーなので、時折はてなブックマークをみてはコメントを楽しんだりしているのですが、どなたかが「年取るの怖いなあ」と書いてありました。怖いですよ~。楽しいけど怖い。未知の世界なので。

とはいえ、シニア層だって色々なものが怖いんです。少しずつニュースとか、流行とか解らなくなって来る。インターネットはいつも良くわからないことしか書いていない。今まだ20歳代の私ですら(さりげなく強調)若い子が言っていることが時折分かりません。清原は西武のイメージか巨人のイメージかと中学生に聞いたら化石を見るような目で見られました。清原は絶対西武のイメージなんですけどね。とはいえ、今彼オリックスでしたっけ?まあ、こんな固執から老化が始まっているわけですよ。

若い方はサイト上で目的のものが見つからない場合、「これかなあ?」とクリックすることが出来ます。
しかし、老化が始まると「これは関係ない。」と思い込んだものは目に入りません。どんなにその文言やボタンの上を目が通っていても目に入りません。
今朝すれ違った人の顔を覚えていられないように、そこじゃあない、と認識されたものは、絶対に目に入らない。

4)思い込みが激しくなったら老化
私は確実に老化してます。
しかし、シニア層がウェブを見ているときに、このボタンを押したら何が出てくると思いますか、もしくは、この商品群は何順に並んでいますか、ないし、例えばこのパーツの意味は何でしょうと聞いた暁には。

若い方は「うーん、なんだろう」と調べるのです。これが、シニア層と同じ行動を取る方たちは「●×!」と断言します。一番和やかな気持ちになれたのは、路線サイトでとある方が「これって何順?ああ、乗降客数が多い順か」と納得されていました。

5)視線が上に戻らなくなったら老化
ウェブ上で物を探すとき、若い方は一通りスクロールしてみて見つからなかった場合、もう一度上に戻ります。
しかし、シニア層の場合、一度視線が下に落ちたらそこからバウンドすることはありません。
ずーっと、下を見て、そして、なんたることか、どこをクリックするのかわからない場合、ページの一番下の何か適当なものをクリックします。若い方の視線は細かに上下しています。シニア層は重力に逆らえずちょっとずつ落ちていきます。そんな感じ。

以上「ウェブ上でそんなことをしたらちょっと老化入門5か条」でした。

ちなみに、老化は決して悪いことではありません。
私の周りの仲良しオヤジたちは、本当に素敵だし、この間も6人で焼酎を何本空けたことか。
ただ、実際、60歳以上のいわゆる「シニア層」と言われる方々とウェブ上で同じ行動をとる比較的若い方々の行動で以上の様な行動が見られたら老化だなあという自分向け美貌、いや、備忘録。
そして、若い方には理解できない「老化」を少しでも知っていただければと思います。ウェブサイトエキスパートも書いていますので是非御読みくださいね。

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全角と半角

Sさん(58歳)はインターネットを使わざるを得ない環境に陥った。
というのも、御商売でインターネット上にクーポンなどを発行していたのだが、担当の方がIDとパスワードを残してお辞めになったとか。

「僕、インターネットでこういう文字を変更できるようになりたいんです」

やる気がある人は好きだ。さあ、どこからでもかかってこい!

まず、インターネットを立ち上げる。Yahoo!が開く。
該当ページのタイトル(○○クーポン)を入力する。

「僕、クーボンって打ってない?これ、クーボンに見えるんだけど」
「大丈夫ですよ」

検索結果がでる。

「あ、これの4番目をクリックすればいいんだね」

そう、実はシニア層にはYahoo!のスポンサーサイトの色が薄すぎて、通常の順位と違いが解らない。
仲良しのNさんも「うちのホームページがヤフーの4番目で」とおっしゃるのでみたら広告掲載のところから数えていた。

「そうですね、順位は変わりますので、ここをクリック」とタイトル部分をクリックしていただく

「なるほどね」

該当ページが表示されたら画面一番下の「ログイン」をクリック。
「ロングインね。」この辺は許容範囲。想定の範囲内(古い)

ID,パスワードは全角半角の違いを教えながらクリア。

そして修正管理画面へ。

「ここを直すんですよ」
「なるほどね」

9月30日を10月に書き換える。

「バックスペースとディライトってのがよく解らないんだよね」

(ディライトはJTだ・・・)


「デリートですね。」と笑顔で。「ちかちかよりも前を消すときは・・・あとを消すときは・・・」と説明。

「10月30日まで有効」

「これはもっと見栄えを良くしたほうがいいので、10も半角にしましょうか?」

「どうしてそう思うの?」

「(10と10を入力して)10のほうがやせているの解ります?」

「わからない」

「ちょっと幅が広いですよね?」


「そう言われるとそんなことがしない気もない。」

「ですよね?」


「そんなことが解るなんて天才なんだなあ」

ほめられた!いや違うって・・・

このように、シニア層に半角全角はとてもわかりにくい。
だから入力フォームで半角全角を区別させるなんて、マナカナちゃんを見分けるのに等しいほど難しいのである。

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シニア層と情報源

「なぜシニア向けは失敗するんだろう?」とふと考えた。
今目の前にある、今月末くらいに発表する予定の調査結果と、色々なオキャンシニア(おきゃんって言わないですか?)の顔を思い浮かべながら。

どうシニア層にアプローチしていけばいいのかということを、自分のために回答を出すための自主調査を先日行った。結果は非常に有益で、リリースにどこまで盛り込むかワクワクしている。

私は情報源は娘だと思っているし、息子をもつ母と娘をもつ母ではミーハー感覚が違うのよ、と思っている。
普段シニア層と話していて、息子の話をする母はちょっと少年を思い浮かべるような目で、娘の話をする母は悪い友達と付き合っているようなやんちゃな目で話すから、多分、そういうつきあいをしているんだろうなって。

そんなことを思いながら結果を見て、「じゃあどうしたらシニア層に効率よくアプローチできるんだろう」と思う。
そして同時に「なんでシニア層にアプローチできないんだろう」と思う。

まあ、その結果はでてしまったのだけど(テレビ、新聞、インターネット、娘、雑誌)
一つ、数字に出ていないけども、パパさんは勉強が好きだし、ママさんは、60歳になったら50歳の頃より子どもがいない分自由になって、そしてテレビとか見て、・・・って、情報源が50歳代と大きく変わらないんじゃないかと思った。もちろん、ママ友は少なくなる。でも、テレビ、新聞は(本当かどうかわからないけど)読んだり見たりしている。

となると、いつ自分が歳をとったことに気づくんだろう?

4年前に同じ事を思ったのだけど
女性は、歳をとるタイミングがないんだ。

改めて思った。

だから、歳をとるタイミングをきちんと持っている男性が作るシニア女性向けはなんかずれてるんじゃなかろうか。

今回の調査で男女の差が大きく出た。
情報の入手の仕方、咀嚼の仕方。
娘や息子など生の情報源との連絡手段などなど

そういうのを一緒くたに「シニア」とくくっちゃいけないなあ。うん。

今日も日中、そんなことも話していた。
ふーむ。

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10秒チャージ、3分キープ

今日、久しぶりに現場に出ました。
夏休み頃から非常にバタバタしておりまして、現場監督(!?)はするものの殆ど教えていなかったのです。
ヒアリングをするときにはシニア層に接しますが、やはり知っている方のヒアリングとはいえヒアリング中は少し緊張していらっしゃるので、まるきりいつもどおり、というわけには行きません。

今日は久しぶりに教えましたが、迫りくる締切よりもよほど大変でした。本当に。
普段、口では言っています
「本当にすぐに忘れますからね、記憶を持たせておくような仕掛けが重要です。ネーミングにしろ、ウェブデザインにしろ。つまり、記憶がなくてもできる状態でなくてはいけないのです」

寝言でもいえます。


しかし、今日、現場に立って、今説明したことが私がくるりと他の人を見ている間、それはほんの3分の間、突然呼ばれて「ごめんねー、さっき言ってたこと、その瞬間は解ったんだけど、後ろ向いたら忘れちゃって」

向くなー!後ろー!


昔、ウィダーインゼリーの広告が 10秒チャージ2時間キープ、グリコだって2時間フルマラソン?

しかし、実際の現場は10秒チャージ、3分キープ。


この、「忘れてしまう感覚。」これは、絶対に若者には理解できない。
私は6年近くシニア層に囲まれていて、慣れきっているつもりが、今日は新鮮に驚いた。
1ヶ月離れていただけでこんなに驚くなんて、という私自身にも驚いた。

(え、さっき、言ったこと、さっき、「なるほどねー」って納得したよね!?)

こればかりは実際に触れないとどれほど忘れるかは理解できない。特に3操作以上あると覚えられない。混乱するのだ。対象をドラッグして右クリック、これが解らない。行為は覚えているが、何をドラッグすればいいのかが覚えられない。

100歳以上が過去最高になったとか。
これからますます高齢者だらけですよ~。
そんな中、お互い「さっき言ったじゃない!」というなんだか男女の痴話げんか(ほんとかな?)みたいにならないためには、さっき言ったことを覚えてなくても出来る仕組みが必要だ。

もちろん現場では笑顔で言う「いいんですよ、忘れてください。人間は忘却の生き物です。」
わが社は哲学的なパソコン教室でもあるので。

でも、心のなかでは本当にビックリマークが並んでいたのである。

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難しい事と難しそうなこと

うちは毎月、2、30人新しい方がご入会されるだけではなく、現在新宿区のIT講習会を請け負わせて頂いているので年間500名近い色々な方がいらっしゃる。

色々な方とお話しをしていると、いろいろな発見があるが、どうしても一つ解からない事。
それは「難しい」の定義だ。特に女性。

やりたいことをがーっと並べて「そのくらいは出来るようになら無いと。あ、でも、これ以上のことは難しそうだからやらなくていいの!!」

「文字の色、色とりどりなのは難しそうだけど、2色ぐらいなら簡単でしょ」それは色とりどりが難しいと言うのではなく、フォントの色を変えるという操作は1つなのだから、その操作を覚えればいくらでも応用が利くはず、という理屈は彼ら(特に女性)には通用しない。

本当はそれが難しいかなんてどうでもいいんだと思う。
「難しそう」を理由にして触らないだけなんだと思う。
昔、ケータイメールをしていたシニア女性なんて本当に少なかったのに、今じゃ気付くと皆ケータイでメールだけは出来るようになっている。じゃあ、パソコンのメールも原理はケータイのメールと同じだよね、できるよね。と言う話をふってみると「ムリムリムリムリ」。どこのムリムリ星人だ。

「だってパソコンって難しそうじゃない」
「でも、メール立ち上げて、宛先入れて本文入れて送信押すだけですよ」
「ムリムリムリムリ」

「でも、出来るようになればいいなと思うのよね」と夢見る夢子ちゃんが言う。
「その為に何かしてみたことはありますか?」
「ううん(否定)、だって難しそうなんだもん。」

本当は難しいかなんて意味はない。
とても大切な事は、難しくないと思わせる事なんだと思う。

同じ機械でも冷蔵庫は難しくない。テレビも難しくない。固定電話も難しくない。

携帯は普通。いろいろやらなければ難しくない。

パソコンは難しい。ビデオも難しい。リモコンも難しい。

操作が一杯ありますよー。というのとボタンが多いですよーというのは難しく思わせる原因で、何もしていないのに無理だと思わせちゃうのかな。


しかし、先日お教室に見学に入らした某社の某さんが、「いやー、モリさんの言うとおり、本当に皆片っ端から忘れていくんですね~!感激しました」と仰って下さいました。見学・お手伝いは大歓迎ですので、いつでもお問い合せください。(冷やかしは嫌です。面白い方がいいです。)

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機能を削ぎ落として特化する

長らくご無沙汰しておりました。

いいわけにはなりませんが、7月に入り目の回るような忙しさになってしまい、ネタは溜まっているのですが書く気力が起きず大変ご無沙汰しておりました。
まるっと夏の記事が抜けてしまいましたが、皆様いかがお過ごしでしたでしょうか。
私は20歳代最後の夏だったのですが、シニア層にずーっと囲まれ、ヒアリングをずっと行っており、それに伴い老後についてしばし考える日々が続いておりました。

さて、ケータイといえば、5年前には「ケータイでメールなんて超むずい(難しい)><」と仰っていたシニアの方が多かったものの、ここ最近は「ケータイはね、簡単だからね。」という方が特に女性シニア層に増えた気がします。

「顔文字とか、そういうのは応用が利かないからかわいいのとか送るのは難しい」という声が聞かれるようになったということは、コミュニケーション能力が発達している彼女たちのことですから、すぐにできるようになるでしょう。

PCは開けてから起動し、クリックしてメーラーを出し、という手間が多い。
携帯は、開けた。打った。アドレスつけた。送った。というように他の手間が少ない分とても簡単に感じられるようです。ここ最近のヒアリングでも「PCは1年くらい触っていないけど、ケータイでのメールは毎日やってる。きゃはっ」というシニア層が多いのに驚きます。いずれメールのやり取りをするPCはさびれ、今後はケータイの時代なんだろうなあと、最近ようやく写真添付がケータイで出来るようになった私がしみじみと思っております。(ケータイ音痴、というよりPCのほうが楽なのでケータイでメールとか好きではないのです。)

彼女たちのケータイの使い方を見ていると、ポケットボードと写ルンですを彷彿とさせます。
(そんな話を以前したところ「ポケットボードなんて懐かしいですね」と言われてしまいましたが、あの「うーちゃちゃちゃ」はすごい衝撃でした。モモモモモモモモモモンガーのほうが好きでしたけど(古)

機能を削ぎ落として特化する。
「ケータイ、機能多いじゃん!」という突っ込みはもちろん、彼女たちにとってケータイの基本的なものは通話ではなく、「おしゃべり」です。ケータイで通話できる、通話できないかも、相手も忙しいかも、というときはメールする、大体世の中の女性なんて人の話をあんまり聞きません。もちろん私もですが。ただ一方的に話しかける、そして難しくない。キーを覚える必要もない。頑張ればハートマークとか、顔文字とかも入れられる。どこでもいつでも誰とでも一方的おしゃべりも可能。コミュニケーション、というニーズのもとに携帯は簡単で、とてもシンプルなのです。

写ルンですもそうでした。いい写真じゃなくて、行った記録をするだけならいいカメラなんて必要なくて、彼女たちのニーズは「行った場所の記録」にある。そういう、必要な彼女たちのニーズ、おしゃべり願望を満たすために必要な機能以外は削ぎ落として何かに特化する、「考えずにそれが行える」、それが重要なのではないかと思います。

まあ、言うのは簡単なんですけどね。

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