イマドキシニアはパソコンを本当に使えるのか?
「今、シニア向けホームページが熱い!」
というブログを書いていらっしゃる方を時折見受けられる。
確かに凸版印刷のオヤジのためのブログ・リログは11月から始まり、おじ様たちのひそかなたまり場になっているし(生の声ですよ。)、ずいぶん前だけど楽天さんもシニア市場を立ち上げ、そしてYahoo!さんもセカンドライフを始めている。他にも続々とシニア向けサービスが展開されている。
熱いのは企業ですね、ユーザーではなく(^ ^;)
「みんながシニア向けを始めるのは今の団塊世代を中心とするシニア層はパソコンを使えるからだ!」
と、直ぐに結びつける。「パソコンを使える」という定義も無いままに。
第一に、使いづらいページは、いくらイマドキのシニア層が「パソコンを使える」といっても使えない。
第二に、「パソコンを使える」ってどういうことだろう?メールとインターネットができますってどういうことだろう?
第三に、「55歳を過ぎた人のウェブ操作と若い人のウェブ操作は、やっぱり違う。さらに、65過ぎた人と75過ぎた人も違う。」だから「シニア向けですぅ、文字大きいですぅ」というのは、何度も何度もスイカのペンギンが酸っぱい口をしているのを真似をして書きますが、「文字が大きいだけじゃだめなんですってば!」
なんて安直に、団塊世代はパソコンを使えると言うのだろうか!
最近、出向ラッシュで当社保有するパソコン教室にも団塊世代がぐぅんと増えた。
超初心者からではあるが、超初心者だけではなく資料が作りたいとか、そういうところから始める人も多い。
「インターネットはできるんだけどね。ほら、イマドキメールが無くちゃ仕事にもならないでしょ」
しかし、たまに話しながらインターネットの話をしていると、「できる人にとってのできる」と「できない人にとってのできない」はなんとまあ、こんなに差があるものかと思う。
例えば、料理ができる人にとって、米が研げないというのは「どうして?どうして?」となるだろう。
私は料理をしょっちゅうするほうではないが、私にも「お米研ぐの良く解らないのです」という意見は良く解らない。「なんか汚いから洗剤を」とか、例えば出汁の取りかたひとつにしたって、普通の食卓においてそんなに難しいものか?と思う。「作れるからだよ」という。「いや、作れるってレベルじゃないってば」不毛な会話が続く。
「インターネットができます」
このゆるい定義で使われている言葉は、誰もがそれぞれのものさしで「できる」を測っている。
「運転ができます」
「料理ができます」
「英語ができます」
インストラクター募集で、アルバイト生を面接しても「ボク、インターネットは主にMIXIです」と言われると「それか!」と思ってしまう。「ワードはできます」という学生によくよく聞くと「文字を入力するのと大きくするのと、色をつけるのはできます」と胸を張って言われてしまう。私たちにとって、それはできるとは到底いえない。
「だって、それ以外使わないんですもん」
結局、使わなくても済むから、使わない。
インターネットだってそうだ。検索を知らなくても知っているページさえ使えれば別に必要はないじゃん、となる。
だから、「使えるけど、使えない。」
なのに、多くの企業は「団塊世代はパソコンを使えるすばらしい世代である」と思い込む。
それが正しい人もいる。私の周りの多くのおじさま、いや、おにいさま呑み仲間の中でも「この人は問題なし」と言う人は何人もいる。でも、残りの多くは「使ってる。」と思わず変換をしてEnterキーを押すときに力が入ってしまうような、そんな感じである。
「インターネットができる」と「あなたのサイトが使える」は全く別物だと思ったほうがいい。
「僕の使えるレベル」と「みんなの使えるレベル」は全く違うと思ったほうがいい。
ちなみに、実は私がそのおにいさまがたがパソコンを使えているかどうか、一つ見極めに利用していることがあるのであるが、それを書くとこれを読んでいるおじさまたちが意識しちゃうので書きませんが(笑)
このブログのおかげで手の内がバレてやりづらいったら(^ ^;)
| 固定リンク
「03.シニア層とインターネット」カテゴリの記事
- シニアのネットショッピング観察記録(2012.03.12)
- 見えない「先」は存在しない。(2012.01.20)
- 顧客の努力(2012.01.13)
- 2011年10大 小ネタ(2011.12.28)
- 想像がつかないから、興味が湧かない。(2011.07.05)
この記事へのコメントは終了しました。


コメント