3クリック以内
私を知っている人なら知っているが、私は方向音痴である。
地図は読める。地図は読める。方位磁針があればなおさらである。しかし、地図がないと歩けない。「感覚」が弱いのだ。地図が無くて2本目の曲がり角を右に曲がって、といわれると「うーん、これを曲がり角と認定していいのだろうか」と悩んだりする為、目的の場所とは外れてしまうのだ。タクシーに乗ると「方向音痴でしょ」と言われる。
地図がないと俯瞰的に場所が見えないのだ。地図から1歩出ると、もとの場所には戻れない。方向音痴で無い人からは信じられないだろうが、そうなのである。地図があっても、地下鉄を出たときに出口がくるりと回って、右に行けばいいのか、左に行けばいいのかわからなくなることは未だによくある。
シニア層も、ウェブ上では多くの人が方向音痴である。
昔も今も、「3クリック以内で到達できる」と言う人がいるが、3クリックで到達できるのはあなただけですからー。と、思わず言ってみる。あなたが、三クリックと思っているとき、シニア層は地図を持たずにあなたのウェブサイトをうろうろしている。そう、それは地図をもっていないときに歩いている私の気分に似ている。他の人はなぜ迷うのか解らない。迷う人間も何故迷うのか解らない。ただ、正解がないだけで。
昔、とある海外で道に迷って本当にホテルに帰れなくて困った時、結局は知らないおじさんに送ってもらえたのですが、一緒のドミトリーにとまっていた賢い人に「いい?道を歩いている途中で時折振り返るんだよ。で、何があるかを確認するんだ。そうすれば、道に迷わないから」
普通の方向音痴ではない人にとって、当たり前の3クリックが、道に迷えば10~20クリックになる。
いままで色々な曲がり路を曲がった(クリックした)ことは解るので、いまさら戻るのはしんどい。そういうときはすかさず×ボタンである。それは、突然タケコプターが降りてきて、頭の上にちょこんとついた状態。
この迷宮から出られるわ!
それはアリスインワンダーランドなのである。もう気の狂った帽子屋なんて相手にしなくてもいいわ、という開放感。
僕のサイトは2クリック以内で情報を得られますからね。と担当さんが言う。
得られるのは、あなたであって、私ではない。
昔、大型迷路が流行ったのを覚えていらっしゃるでしょうか。
直線でいけば早いのよ。7分ぐらいで抜ける人もいる。でも、4時間抜けられない人もいる。
そう、大切なことは、最短距離のクリック数じゃない。
シニア層を、ユーザーを迷わせないこと、である。あなたのサイトにタケコプターが飛んでくる前に。
シニア層のウェブ操作の呟きをまとめた10日間のシニアの本音(呟き)、お申し込みはこちらから
4月15日より配信します。
内容は
「間違えちゃった!」と言われる理由や「そんなことかいてあったっけ?」と読み飛ばされる原因など。お楽しみにー。10日間のみの配信です。
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